猫がいる暮らしは、想像以上に豊かで、想像以上に大変だった

ある朝、出勤前にふとみぃちゃんを抱き上げたら、夫が「この子、何円するんだろうな」って笑いながら言ったんです。
冗談っぽく言ったけど、私も同じことを考えていました。キジトラの女の子、今年で9歳。峠の自動販売機のそばのゴミ箱の上で震えていたところを拾ってきた子が、もうそんなになるんだって。
共働きで子どものいない私たちにとって、みぃちゃんとの暮らしは本当に大切な時間です。朝ごはんの準備をしながら足元をついてくる感じ、仕事から疲れて帰ってきたときに玄関まで迎えに来てくれる声——言葉にするとあっさりしちゃうんですけど、あの瞬間があるから明日もがんばれる、ってことが確かにあって。
だから正直に言います。猫を迎えることは、本当に素晴らしい選択だと思っています。
でも同時に、思っていたより、ずっと大変でもありました。
みぃちゃんがシニア期に入ってから、それをより深く感じるようになりました。体調の小さな変化が気になる、医療費が増えてきた、「この子より自分が長く生きる」という現実を静かに受け止めなければならない——かわいいだけではすまないことが、確かにある。
これから猫を迎えようとしている方に、まずそれを伝えたくて、この記事を書きました。費用の話は、そのあとです。
猫を迎えるときの初期費用——どこから迎えるかで大きく変わります
迎え方による費用の違い
保護猫の譲渡:1万〜3万円程度
みぃちゃんは「拾った子」なので譲渡費用はかかりませんでしたが、保護団体から迎える場合はワクチンや避妊手術込みでこのくらいが目安です。性格や健康状態をある程度確認してから迎えられるのも、働く夫婦には安心感があると思います。
ペットショップ:10万〜30万円程度
猫種によって幅があります。すぐに迎えられる手軽さはありますが、生体販売に関する議論もあるので、一度立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。
ブリーダー:20万〜50万円程度
特定の猫種を希望する場合の選択肢。信頼できるブリーダーなら、その子の性格や成育環境について丁寧に教えてもらえます。
どのルートを選ぶにせよ、初期費用は「始まり」に過ぎません。本当のコストは、その後の日々の中にあります。
最初に必要な生活用品——最低限から始めて大丈夫
| アイテム | 目安費用 |
|---|---|
| トイレ・猫砂 | 5,000〜7,000円 |
| キャットフード・食器 | 3,000〜5,000円 |
| キャリーバッグ | 3,000〜10,000円 |
| 爪とぎ・おもちゃ | 2,000〜5,000円 |
| ベッド・ブランケット | 2,000〜5,000円 |
| 合計目安 | 約2万〜5万円 |
みぃちゃんを迎えたとき、最初に張り切っておしゃれなベッドを買ったんですが……一度も使ってもらえず、段ボール箱で寝ていました(笑)。最初は最低限で始めて、その子の好みを見ながら少しずつ揃えていくのが、結局いちばん無駄がないと思います。
ひとつだけ、最初からちゃんとしたものを選んでほしいのがキャリーバッグです。通院のたびに使うもので、シニアになるほど病院に通う頻度が上がります。軽くて扱いやすいものが、長い目で見ると自分も猫も楽です。
毎月・毎年かかる生活費——数字で見るリアル
月々の固定費
フード代:月4,500〜8,000円程度
みぃちゃんはドライフードをベースに、ウェットフードを朝夕少量トッピングしています。健康維持のためにそのスタイルを続けているので、月6,000円前後といったところです。
フードはできるだけ質にこだわってほしいと思っています。安いフードで節約した分が、後の医療費として戻ってくることがある——これは、8年間猫と暮らしてきて実感していることです。
実は、最初に猫を迎えたときの私はフード選びで失敗しています。そのときの経験と、いま大切だと思うことを👉キャットフードの選び方で後悔した私が、いま大切だと思うことに書いているので、よかったら読んでみてください。
猫砂代:月2,000〜3,000円
素材によってコストと使い心地がだいぶ変わります。我が家では紙製に落ち着くまで4〜5種類試しました。猫本人の好みもあるので、最初は少量ずつ試してみてください。
おもちゃ・爪とぎ:月1,000〜2,000円
消耗品として割り切っています。爪とぎは使わなくなったら即交換が基本。みぃちゃんはダンボール製が好きで、麻縄タイプはまったく見向きもしないので、好みが分かってからまとめ買いするのがおすすめです。
年間でかかるメンテナンス費用
ワクチン・健康診断:年間13,000〜22,000円
「元気そうだから今年はいいか」と思いたくなる気持ちはわかります。でも、共働きで日中は一人にしている猫は、体調の小さな変化を見落としやすいんです。年1回の健診は、早期発見のための大切な機会。みぃちゃんも、健診のときに軽い歯石を指摘されて早めに対処できたことがありました。
ノミ・ダニ予防:年間12,000〜18,000円
完全室内飼いでも、ノミは人の衣類や窓から入ってくることがあります。一度感染すると駆除が本当に大変なので、月1,000〜1,500円の予防はしっかりと。
医療費の備え:年間1万〜5万円(それ以上になることも)
ここが、いちばん読んでほしいところです。
若いうちは年間数千円で済むこともあります。でもシニア期に入ると、血液検査・レントゲン・投薬治療で、年間数十万円になることも珍しくない。みぃちゃんも昨年、検査と投薬で合計8万円ほどかかりました。「まさかこんなに」と思いましたが、後悔はしていません。ただ、「備えておいてよかった」とは強く思いました。
ペット保険は、元気なうちに検討してください。 シニアになってから加入しようとすると、条件が厳しくなったり、既往症が対象外になることがほとんどです。
年間コストの総まとめ
| 時期 | 目安費用 |
|---|---|
| 初年度 | 約15万〜40万円 |
| 2年目以降(年間) | 約7万〜15万円 |
| シニア期(7歳以降) | 年間15万〜30万円以上になることも |
数字だけ見ると「思ったより多いな」と感じる方もいるかもしれません。でもこの金額の向こう側に、毎朝の温かい重さと、帰ってきたときの鳴き声があると思ったら——私には、十分すぎるくらいの価値がありました。
節約より「長く続けられる使い方」を
まとめ買い・定期便は便利だけど柔軟に
フードや猫砂のまとめ買いはコストを抑えられますが、「安いから」と大量購入するのは注意が必要です。シニア期には療法食への切り替えが必要になることもある。定期便を使うなら、変更・停止がしやすいサービスを選んでおくと後で助かります。
ポイントやクーポンは「ついで」に活用する程度で
楽天やAmazonのポイント、動物病院の会員割引は積極的に使っていいと思います。ただ、「ポイントのために買う」より「必要なものを少し安く買う」感覚で。それくらいが無理なく長く続けられます。
健康管理が、結局いちばんの節約
これは本当にそう思います。適切なフード、運動できる環境、定期的な健診——この三つを続けることが、長期的に医療費をいちばん抑えてくれます。共働きで日中不在の家庭は特に、キャットタワーや窓辺の工夫など、環境を整えることに少し投資する価値があります。
迷っているあなたへ、一緒に考えたいこと
費用の話をここまで読んでくださった方の中には、「やっぱり大変そう……」と感じた方もいるかもしれません。その感覚、大切にしてほしいと思います。
猫を迎えるということは、15〜20年という時間の責任を引き受けることです。旅行の制限、体調を崩したときの対応、そしていつか必ず来る「看取り」——それも全部含めて、猫との暮らしです。
40〜50代という年齢だからこそ、自分たちの体力や仕事の変化、老後のことも少し視野に入れて考えておくといいと思います。「かわいいから」という気持ちだけで迎えて、後から「こんなはずじゃなかった」と感じることが、実際にあるのも事実なので。
でも、だからこそ伝えたいことがあります。
よく考えて、覚悟を持って迎えた猫との時間は、人生の中でもほかに代えがたい豊かさをくれます。
みぃちゃんが8歳になった今、夫婦でよくこう話します。「この子がいてくれて、本当によかったね」って。忙しい日々の中で、猫という存在がどれほど私たちを支えてくれているか。費用対効果、なんて言葉では到底表せないんですよね。
焦らなくていいです。じっくり考えて、自分たちの暮らしに本当に迎え入れられると思えたとき、その一歩を踏み出してください。その慎重さが、猫にとっても、あなたにとっても、きっといいスタートになります。
まとめ

猫との暮らしにかかる費用は、初年度で15万〜40万円、2年目以降は年間7万〜15万円が目安。シニア期には医療費が大きく膨らむ可能性もあります。
でも費用と同じくらい大切なのは、「この子の15〜20年に、最後まで向き合えるか」という問いに、自分の心で答えることだと思っています。
お金の準備と、心の準備と——両方揃ったとき、猫との暮らしはきっと、あなたの毎日をやさしく変えてくれます。
費用の話だけでなく、40代で猫を迎えることへの気持ちや心の変化については、こちらも合わせてどうぞ。 👉「40代で猫を飼うのは不安?実際に暮らして感じたことと、後悔しないための考え方」
す。


40代で猫を迎える際の気持ちの変化や、実際に感じたことについては、
👉 「40代で猫を飼うのは不安?実際に暮らして感じたことと、後悔しないための考え方」 も参考にしてみてください。

