キャットフードは今や猫の健康維持に欠かせない存在ですが、その歴史を振り返ると、日本と世界では発展の過程に違いがあります。世界では19世紀末からキャットフードが登場し、栄養バランスを考慮した製品が次々と開発されました。
一方、日本では1960年代以降に市場が広がり、海外ブランドの進出や国産品の登場によって品質が向上してきました。しかし、日本ではキャットフードが長らく「雑貨」として扱われ、ペット自体も法的には「物」とされる背景があります。本記事では、キャットフードの歴史を世界と日本で比較しつつ、日本におけるペットの位置づけや法的な扱いについても詳しく解説していきます。

キャットフードの歴史:世界と日本の比較
キャットフードの歴史を振り返ると、世界と日本では発展の過程に違いがあります。また、日本ではキャットフードが「雑貨扱い」される背景や、ペットそのものが「物」として見なされてきた歴史もあります。本記事では、それらを詳しく解説していきます。
世界のキャットフードの歴史
初期のキャットフード
キャットフードが登場したのは19世紀末から20世紀初頭のことです。それ以前、猫は主にネズミや小動物を狩って食事をしていましたが、ペットとしての飼育が増えるにつれ、専用のフードが求められるようになりました。
- 19世紀末: アメリカで、ペット用のキャットフードが登場。初期のものは犬用フードと同様に缶詰や乾燥食品が中心でした。
- 1920年代: ペットフード業界が発展し、猫の栄養を考慮した専用フードが登場。
- 1940~50年代: 第二次世界大戦後、ペットの需要が増え、キャットフードの品質が向上。
- 1960年代以降: 栄養バランスの研究が進み、缶詰、ドライフード、スナックなど多様な形態のキャットフードが普及。

日本のキャットフードの歴史
1960年代以前
日本でキャットフードが本格的に登場したのは1960年代からで、それ以前は魚のアラやご飯の残りを与えるのが一般的でした。

1970年代~1980年代
- 1970年代: アメリカの「ロイヤルカナン」や「ヒルズ・サイエンスダイエット」など海外ブランドが日本市場に進出。
- 1980年代: 国産のキャットフードが増え、栄養バランスに配慮した製品が登場。
1990年代以降
- 1990年代~2000年代: 年齢や健康状態に応じたキャットフードが普及。
- 2010年代~現在: 自然素材やオーガニック志向のフード、猫の嗜好に合わせたフレーバーの多様化が進む。
日本におけるキャットフードの「雑貨扱い」とペットの地位
キャットフードの「雑貨扱い」
日本では、キャットフードは長らく「ペット用品」として分類され、「雑貨」として扱われてきました。
- 1980年代以前: キャットフードは食品というよりも「ペットに与える物」として販売。
- 現在も一部では雑貨扱い: ホームセンターやドラッグストアでは、他の家庭用品と同様に並べられることがある。
日本におけるペットの扱い
日本では長い間、ペットは「物」として法的に扱われてきました。
- 昭和時代: 猫は「家畜」的な役割が強く、ペットというより「ネズミ取り」としての存在だった。
- 平成時代以降: ペットブームが起こり、ペットが「家族の一員」として認識されるようになる。
- 現在: 動物愛護法の改正などでペットの福祉に関する意識が高まるが、依然として「物」としての法律上の扱いが残る部分も。

まとめ
キャットフードの発展は、日本と世界で異なる軌跡をたどりました。世界では20世紀初頭から市場が拡大し、日本では1960年代以降急速に発展しました。しかし、日本ではキャットフードが「雑貨」として扱われることがあり、ペットそのものの法的扱いも「物」とされる歴史が長く続いてきました。近年はペットの福祉意識が向上し、高品質なキャットフードの需要も拡大していますが、今後さらなる改善が求められます。結局、ペットは飼い主さんが選んだものしか食べられないから、私達飼い主さんもアップデートする必要があります。人間も動物も、体に必要な栄養素は決まっています。あなたの猫ちゃんに本当に必要なものが入っているかパッケージの裏面をしっかりと確認する必要がありますね。